下書き③

知らない日本人の本を読んだらしい。柄にもなくノートを取ったらしくて、大きさがバラバラのルーズリーフを見て雑な努力のあとを確認した。

難しい言葉は指を折って数えられるくらいしか知らないけれど、その中のひとつに新たな意味を見出して興奮に打ち震える。わからないことがわかることの悦びをついぞわかることなく人生を終えると思っていたが、なかなかどうして捨てたもんじゃないな。

よく食べてよく眠ることにする。ろくでもない男とほっつき歩いているジョーのことを思い出して、ちょっとだけ悲しくなった。腹減った!